何歳になっても親の期待は、重い

 春だからかなー、それとも四十路だからかなー。色々考えちゃうんだよね。四十路とはいえ頭の中は相変わらず幼稚というか純度100%のバカなんだけれども、外面と内面がどんどん剥離していくような感じがして落ち着かない。毎日家のことを考えて突っ走っていても、ふと立ち止まると「憂鬱」という名の大きな落とし穴があちこちに開いていて、うっかり落ちそうになる。というか既に落ちてる。半身くらい落ちてる。

 上の世代からしてみたら2世帯(2世代)暮らしというのは「後継者だ」「介護だ」「地域貢献だ」など色々確約されるものがあるだけに、不安よりも安心の方が大きいのだろう。でも私達からしてみれば、というか私だけが強く思うだけなのかもしれないが、自由を奪われるような気がしてしょうがない。最低限の義務くらい果たすべきだとは思うけれど、その最低限が分からない。親達の期待が底無し沼のように見えてしまう。押し潰されそうになってしまう。

 それにしても独身の頃はそこまで感じなかったことなのに、どうして今はそう感じるのだろう。普段いい加減な生活をしていると思っていても、結婚して一応それなりに「責任」というものを感じるようになったんだろうか。あるいは年を食って責任感というものが芽生えてきたのか。どちらにせよ、押し潰されそうになっていた原因は親達の期待ではなく、己の責任感だったんだ。自分で自分を潰そうとしてたんだ。はーなるほど。

 結局のところ、自分次第なんだね。2世帯暮らしを生かすも殺すも自分次第。親の期待に応えるのも潰されるのも回避するのも自分次第。そしてそう考える自分に押し潰されるかどうかも自分次第。入れ子か。きりがない。

 こういう時は気分転換に限るのだけど、気分転換じゃなくて現実逃避になるのがね、面倒なんだよね。だって気分転換に出掛けたつもりなのに帰ってくると出掛ける前よりも現実がドーンとそびえ立ってるような感じがするんだよ。全然気分転換になってないよ。どうすりゃいいんだかなぁ……。

 

 ※2021年4月 加筆修正