大地の息吹を感じる家、なんつって

 「試される大地」ならぬ「試される家」……あ、もういいですか。いいですね。つまり寒いのです。この家は暗い。この家は寒い。もうホントやだこの家。ああもうどこか遠くに行きたい。と、布団の中でうずくまりながら嘆くのです。こんな生活、もうやだ。

 そんな隙間風が吹き荒ぶ家に住んでます。いやさすがに「吹き荒ぶ」は誇張表現だけども、上から下から右から左から冷気がコオォォォォォォォ……と流れ込んできます。寒いです。

 「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる」

 と、兼好法師は言うけども、そりゃそうだけど、そうなんだけど、寒いのは気が滅入りますよ。暗くて寒い家は本当に気が滅入りますよ。冬も考慮してくださいよ。現代なら暖房でゴリ押しすればどうにかなるかもしれないけど、光熱費バカにならんのですよ。

 かと思いきや、次にこう述べているのです。

 「天井の高きは、冬寒く、燈暗し」

 だよねー! そうだよねー! 天井高いと部屋暖まらないんだよねー! あと必然的に照明も高くなるから昼間でも薄暗くてイヤなんだよねー! わーかーるー! 超わーかーるー! と、机をバンバン叩きながら同意したくなるのでした。

 でも現代では前者の一文だけが一人歩きしている気がします。特に建築関係のページで結構出てくるんですよね。まぁ読み手が一部を切り取って都合良く受け取るのはよくあることなんだけれども(私もそうだし)、でもこれ、そんなに高尚な意見でもないと思うんですよね。「冬は寒くてイヤだけど夏の暑さはもっとイヤ! だったら寒い方がまだ我慢できるわー」くらいのノリだよね。今だったら、おっさんのボヤキをブログに上げてるようなもんだよね。それが面白いか否かは別の問題として。個人的には面白いと思うんですけどね。って、いかにも知った感じで書いてますけど、徒然草全部読んだことありませんごめんなさい。

 

 ……で、何の話だっけ?