「納屋を残す」という選択肢……

 なんか前回の記事から1週間も経ってるような気がしたんですが、4日程度でしたか。いやもう息止めて毒沼に潜ってたら暑さと相まって頭痛が……それでちょっと休んでおりまして。しかし呼吸をすれば毒を食らうし、息を止めればそれはそれでダメージ食らうとか、どうすればいいんでしょう。

 そんな比喩的な話は置いといて、夫祖母の納屋に対する執着が酷くなりました。納屋は良い材木を使ってるとか夫父(故人)が取り寄せたものだ、壊さないでくれと何度も何度も繰り返します。「執着」も認知症の一つの症状なので仕方ないと言えば仕方ないんですが、それでも愚痴の一つや二つもこぼしたくなりますよ……という愚痴は置いといても、困った問題なんですよね。

 それがただの納屋であるなら仕方なく残すという選択肢もあると思います。でもただの納屋ではありません。私が「汚屋敷」と言ってしまうくらいの代物です。知らない人が見たら「廃屋」と思われかねないくらい荒れています。中には物がぎゅうぎゅうに詰まっています。壊れた部分からは色々な動物が出入りし、春先に片付けたはずの部分に鳥の羽が散らばってたりします。地面にはモグラが掘ったのではと思しき穴が開き、クモの巣を払いながらじゃないと前に進めません。汲み取り式トイレもあるので夏場は悪臭も酷いです。本当に、それはもう本当に勘弁してほしいのです。

 ちなみに家を建てるスペースは納屋を避けてもどうにかなります。とはいえ、ネズミが走り回る廃屋同然の納屋に密接して家を建てたいかと訊かれれば、建てたくありません。結婚当初から「将来この納屋どうするんだろう、片付けなきゃいけないのかな」と悩んでるくらいなので、今ここで片付けるなり取り壊すなりしないと、後が大変なことになります。夫祖母は「自分がいなくなってからにしてくれ」と言いますが、私達だって年を取ります。それなりに若いうちじゃないとキツイです。普通の家の物置じゃないんですよ、本当に酷いんですよ。自分達で片付けなかったものを後世に丸投げするなら少しは夫の言うことを聞いてほしい。って言いたいけど言えないのが認知症。嗚呼。

 とりあえずばーちゃんを否定せずに納屋を解体する方法ってあるんでしょうか。「嘘も方便」とは言うものの、それは最終手段にしたいですよ。とはいえ、どんな嘘を吐けばいいんだろう。自称霊媒師でも連れてきて「更地にしないと(以下略)」とか? まず霊媒師をどうやって調達するんだよ。ハードル高いぞ。

 あー……でも一つだけ納屋を残すメリットがあるのかな。下手な言い訳することなく堂々と別棟で建てられること、ですかね。いやホラ、夫叔母達に「どうして長男が嫁の親と一緒に住むんだ」って言われたらどうしたものかと思って、ねぇ。納屋解体できないなら別々に建てるしかありませんから。しかしそのためだけに納屋を残すってのも……いやー。いやいやいやいや。

 

※2021年3月 加筆修正