1年先だって見越せない

 家が建つとブログ放置しがちなのは、家づくりブログあるあるですね。でもまぁ個人のブログというものは概ね「趣味」であり、更新する原動力は「興味(思考・実行)」であるので、家づくりが終わってしまうと興味が別の方へ行ってしまって更新が途絶えるのは仕方ない事であります。以上、言い訳終わり。

 で、去年の今頃は内装関係で修羅場だったなーとブログを見返して思いました。そして後で書こうと思っていたLANケーブルの配線顛末記も忘れてたなーと今思い出しました。1年経つのって早いですね。あの頃、1年後の自分が何をしてるかなんて想像もつかなかったというか想像する気も無かったのですが、今、夫祖母は家にいません。病院にいます。サラッと大事(おおごと)をぶっこんだね。この状況を誰が想像出来たかというと、誰一人として想像出来ませんでした。ええ、完全に想定外。

 

nisetaihuntouki.hatenablog.com

 そんな夫祖母の状況は上の記事で最後でしたか。このままでは夫母が精神的疲労で倒れてしまうと思ったので「いいかげん然るべき所に相談しろよ」と夫を締め上……じゃなくて諭して、かかりつけ医に相談しに行った。というところまででしたね。

 そうそう、かかりつけ医に相談したところ「家族の理解が大事」と言われ若干腐れてたのです。なんというか性善説だよなそれ、って。家族の理解でどうにかなるというのは認知症になった本人も家族も周囲の人間も全てが「善人(せめて普通)である」という事が前提であって成り立つものだよなーと、薄ぼんやり思ったり。あと「自分の考えが絶対に正しい」と思っている存在がいると、何となくまとまり掛けていたものすら破壊していくので非常に難しいです。

 夫祖母の症状を理解するというのは気持ちを理解するという事だけど、理解したところでどうにも出来ず、皆困り果てて疲労困憊でした。石を返せと言われてもどうにも出来ないのもそうだけど、本質的な問題は夫祖母の「家や土地など含めた、自分の物に対する尋常じゃない程の執着心」なので、やはり凡人にはどうにも手に負えません。

 そもそも尋常じゃない程の執着心は認知症になる前からの問題であり、結果として高レベルの汚屋敷が形成されたわけですよね。埃にまみれた使いもしない物の山、山、山。震災で傾き浸水で腐れ、カビ臭かったりツーンとした刺激臭。ネズミの楽園、そして漏電。それでも「自分が生きているうちは建て替えないでくれ」と言う夫祖母。まぁ汚屋敷になってしまったのは夫祖母だけのせいではないのだけど、物に対する執着心は夫祖母がダントツだったと思います。

 つまり夫祖母の症状を理解するには夫祖母の執着心を理解しなくてはならないという事になり、その底無し沼のような尋常じゃない、はっきり言ってしまえば病的なまでの執着心をどのように理解し、どのように対処すれば良いのかという問題に行き当たるのですが、そんな事を考えても「家建て替えずに放置すればよかったんじゃないかな」という答えにしか行き着かないのです。でも、家を建て替えずにそのままにしていたとしたって認知症の症状は恐らく進んでいったでしょう。となると先の答えも正しいとは言えず、更に泥沼に沈んでいくのです。ゴボゴボと。

 こんな調子で「ああ理解って何だろうなぁ」と、悶々としていたのですが、月に一度の定期通院で専門の病院(精神科)へ紹介状を書かれました。家族の理解が大事と言われてたんだけどね、結局のところは「百聞は一見に如かず」なんでしょうか。それが年末の話で、年明け早々に検査入院という話になったのだけど、そりゃー当然ながら断固拒否されました。あまりに頑強なので一度は諦めたものの、「断るなら自分で先生に断って」という説得により病院へ連れて行く事に成功、そして病院に行ったその日にそのまま3ヶ月の長期入院となりました。話がおかしいって? 私達も1泊2日だか2泊3日だかの検査入院と聞いてたのでビックリでしたよ。

 そして3ヶ月過ぎても夫祖母は病院にいます。受け入れ施設が見つからなければ延長可らしくて、そのまま2ヶ月くらい延長しているとか。状態は良くはならないけど悪くもならないといった感じで、何度も協議が行われました。ほぼ全員一致で「施設に入ってもらおう……」という話に決まりかけ、ちょうど空きが出たという施設が複数あったのに、夫叔母が引き取って面倒見ると頑なに言うので頓挫した、というのが近況です。長かったね、説明。ちなみに、この件で夫伯母と叔母は姉妹喧嘩をし、夫伯母が「一切協力しない」と啖呵切って決裂した模様です。まぁ、あの人達らしいですな。

 それにしても去年の今頃は夫祖母が長期入院なんて想像もしなかったし、施設に入る事を検討するなんて予想もしていなかったわけです。夫叔母が引き取って面倒見る事になったとしたとしても家には戻らないわけで、それが分かってたら夫祖母の部屋に洗面台&収納を付けたりしなかったでしょうし、間取りだってもう少し違っていたかもしれないな、なんてね。ちょっと思っただけです。ちょっとだけ。

 人間、明日がどうなるかなんて誰にも分からないです。現に1年先だって見越せない。だから何だって、いや、なんとなく思っただけ。先を見越すのも大事なんだけど、あまりそれに囚われ過ぎて自分を犠牲にしたり現在がつまらないものになってしまうのもどうかなと。その辺はバランス良く調整したいですね。と、書くだけなら簡単ですわホント。

 

 

ランキングに参加してます。一応。なんとなく。

 

にほんブログ村 住まいブログ 二世帯住宅へ
にほんブログ村